私達のまち九度山町は面積44.12㎢、人口約5千人と、県内でも小さな町であります。町政を担うに当たり、各地区の住民と行政懇談会を行い、本当に町民が望んでいることは何か、そして町に足りない部分は何かを聞いて回りました。
私は、首長の心得とは「いかに住民と同じ目線(気持ち)で物事を考えるか」に尽きると考えています。その点においては、小さい町では直接町民の声を聞くことが出来るメリットがあると感じています。
町民の思いを実現化するかたちで、まちなかの活性化として記念館を二館オープン、高齢者の交通対策としては「シルバータクシー助成事業」、若者定住対策・子育て世代の支援策としての中学生までの医療費無償化や町営住宅建設、民間賃貸住宅の家賃補助、定住促進補助金の創設、また特産品である富有柿のPRと生産者の活性を目指した「大収穫祭IN九度山」は本町の一大イベントである「真田祭」に負けるとも劣らないほど大きなイベントとして成長しております。産業面では新特産品の創設として本町ゆかりの戦国武将真田幸村が伝えた「信州そば」の復活をテーマに「そば処幸村庵」を開店。また「子ども議会」を開催し、小中学生のまっすぐな気持ちを町行政に反映しております。加えて、近年、町民主体によるまちづくりが活発に行われており、行政としても非常に嬉しく思っているところです。
厳しい財政状況の中で行政が出来ることは限られますが、金はなくとも知恵と元気は出せます。町の広告塔として対外的にPR活動を行ったり、町内では常に町民との対話を顔を突き合わせて町の将来を語る事により、町民に夢と希望、そして元気を与える存在が町長であるべきと考えています。
今後、日本全体が人口減少を迎え過疎地である本町も一層厳しい状況になると推測されますが、小さくても「日本一元気なまち九度山町」を目指し、町民の皆様と共に歩んで参る所存であります。
最後になりましたが、和歌山県町村会は申し上げるまでもなく、県内21町村が参加している大きな組織であります。平成23年9月に発生した台風12号の甚大な被害においては、県内の自治体が支え合い、協力し合う必要性を痛切に考えさせられる機会でもありました。各町村それぞれ特性も状況も異なっておりますが、各町村が協力すれば地域活性化や災害対策に非常に大きな力が発揮できると確信しております。
大げさかもしれませんが、「和歌山県の町村が全国を元気にする」そんな夢を抱いて県内町村長の皆さんと共に公務に精励して参りたいと考えております。