わが紀美野町は、平成18年1月1日、旧野上町と旧美里町の合併により誕生いたしました。新たに紀美野町としてスタートしてから早いもので4年が経過いたしました。
合併協議会を立ち上げた当時、私は旧野上町の助役として町政に携わっておりました。昔から野上町と美里町は大変行き来の多い町であり、貴志川の流れに沿って共に発展してきた両町が合併することは自然の流れでありました。しかしながら、新しい町を作り上げていくというのは非常に難しいもので、合併に係る協議においては様々な問題に直面し、難しい課題にも取り組まなければなりませんでした。そのような中で、めでたく紀美野町が誕生し、スタートいたしましたときは感無量の思いでございました。その後、平成18年2月の町長選挙を経て新町の初代町長として町政を預からせていただき、今日まで町民の皆様と心をひとつに町づくりに励んでまいりました。この4年間、さまざまな問題をひとつひとつ克服し、着実に発展して参ることができましたのも、町民の皆様の新しい町を創ろうとする情熱と、真摯で前向きな姿勢に支えられたものでございました。ふるさとをこよなく愛し、町づくりに懸ける町民の皆様の熱意が私の背中を押してくれたように思います。町民の皆様のふるさとを想う熱い気持ちが町づくりの原動力であると改めて強く感じました。私自身、温かく、郷土愛に満ちた紀美野町で町長として二期目の町政を担当させていただいておりますことは、感慨一入であり、誠に光栄なことであると感謝しております。
町づくりの基本的な考えとして、町民の皆様の盛り上がりと、行政が取り組む住環境整備等、この二つが両輪となることが最も理想ではないかと実感いたしております。「みんなでつくる町づくり」という考えのもと、各種団体の方々や個人参加の方々で組織立てた「まちづくり推進協議会」が設立され、美しい郷づくりや特産品を育てていく地域ブランドづくり等の部会を設け、皆様精力的に活動を続けられています。町民の皆様の盛り上がりを象徴する団体として、町おこしの一翼を担っていただいております。町民の皆様のパワーをひしひしと、また心強く感じた一期目の4年間でございました。
平成の大合併により、県内の他の市町村もまた、その姿を大きく変えました。今日、地方を取り巻く環境は大変厳しいものがございます。急速に進む少子高齢化、地域経済の低迷、雇用問題、地方分権の推進に伴う行財政改革などの課題が山積しています。このような状況の中ではございますが、多くの先人たちが築き上げてきた旧野上町と旧美里町両町のよき伝統と歴史、そして心のよりどころである豊かで素晴らしい自然を新町においても守り、新しい歴史を築いて参ることが私たち町民の責務であると強く感じております。気さくで温かく、情熱的な町民の皆様の後押しに助けていただきながら、新しい「ふるさと」紀美野町が活気と夢のある町となるよう、今後とも邁進して参りたいと思います。